新たに選挙に行った人の多くは参政党に投票したのでは?
7月20日に行われた参院選の最大の特徴は、参政党が大きく躍進したことでした。今年春まで支持率 1, 2 % を推移していた党が、6月中旬から突如、各社の世論調査で 5 % 前後の支持率を記録するように。最終的に742万人 (12.5%) が比例代表で参政党に投票したのは皆さんの知るとおりです。
その衝撃に隠れてあまり注目されていないように感じますが、 もう一つの大きな特徴は、 投票率が大きく伸びた ことです。参院選はふつう、衆院選よりも投票率が低いといわれています。それが今回は、58.51% と、前回の参院選 (52.05%) を大きく超えるどころか、昨年の衆院選 (53.85%) をも上回り、国政選挙では2012年以来、参議院議員選挙に限っては過去30年で最大規模の投票率を記録したのです。具体的には、昨年10月の衆院選よりも約468万人多くの人が投票所に向かいました。
そして、今回の投票者数の増加には、若者が大きく寄与しました。 朝日新聞は選挙期間中の世論調査で投票意向を尋ね、若年層の投票意向が過去に比べ顕著に高いことを明らかにし、さらに「投票率は50%台後半に上昇することが見込まれる」と報じて、見事に的中させました (朝日新聞, 7月14日; 下図は記事の画像に筆者が矢印を加えたもの)。実際、総務省は抽出調査により、18, 19 歳の投票率が 41.74% と、前回の参院選の 35.42% を大きく上回ったことを発表しています (共同通信, 7月25日)。
それでは、9ヶ月前には選挙に行かなかったのに今回は投票に行ったという468万人以上の有権者は、どこに投票したのでしょうか? 私は、これらの 新たに選挙に行った人たちのほとんどが参政党に投票したのではないか という仮説を立て、1860の市区町村の開票結果を検証しました。